
中絶手術
中絶手術
中絶手術は、止むを得ない理由があって妊娠を続けられない場合に医療機関で妊娠を中絶することで、正式には人工妊娠中絶と呼ばれています。
中絶手術が可能な時期は母体保護法によって「妊娠22週未満」と定められているため、妊娠21週6日までにしか行うことができません。
妊娠12週から妊娠21週までに行われる中絶を中期中絶といいますが、中期中絶は人工的に陣痛を促すことで赤ちゃんを死産として取り出す方法を用います。
妊娠6〜9週の初期中絶が母体にかかるリスクも最も低く、この時期に手術を行うことが妥当とされています。妊娠10週を過ぎると胎児も大きくなってくるため、母体への負担も大きくなってきます。
また、合併症やリスクが高い手術の場合、安全性を考慮し総合病院をご紹介いたします。
当院では、麻酔を使用した子宮に優しいMVA(手動式真空吸引法)にて手術を行います。
次の妊娠に影響が少ないとされている方法です。
当院では、MVA(Manual Vacuum Aspiration)という子宮に優しい手術法を採用しております。
この手術方法は、WHOも推奨する手術法で、子宮のなかにカニューレと呼ばれる柔らかく細いチューブを差し込んで、吸引器で吸い取る方法です。
WHOによって安全性が認められている手法として、電動真空吸引法という方法がありますが、この方法は金属製のチューブを使い電動ポンプで吸引するため、子宮に傷をつけてしまうことや穿孔(突き抜けてしまうこと)を起こすことがあります。
それに比べ、MVAはポリプロピレン製の細く柔らかい管を使用するため、子宮の形に合わせて吸引操作を行うことができます。
また、滅菌された使い捨て器具(ディスポーザブル)を使用し、使用後は破棄するので感染の心配はありません。
MVAは、平成30年4月より流産手術で保険適用となりました。(人工妊娠中絶は保険適応外)
MVAは、以下のような状況で使用されます。
妊娠初期における自然流産や不完全流産後、子宮内に残った胎児の組織や血液を取り除くために行われます。これを放置すると、感染や出血の原因となる可能性があるため、早期の除去が重要です。
子宮内膜に異常がある場合、例えば子宮内膜症やポリープなどが疑われる場合にも使用されることがあります。この方法で、異常な組織を取り除くことができます。
子宮内の状態を調べるため、診断的にMVAを行うことがあります。これにより、組織を取り出して検査に回すことができ、原因不明の不正出血や他の婦人科的問題の診断が進められます。
MVAは体への負担が少ないため、患者にとって負担が軽い手技です。従来の掻爬法や他の外科的手術と比べて、切開を行わないため回復が早く、痛みも少なくて済む場合が多いです。
MVAは局所麻酔または軽い鎮静下で行うことができ、全身麻酔を必要としません。そのため、全身麻酔に伴うリスクを避けることができ、患者への負担が少なくなります。
手技が非常に速く、通常は数分で終了します。患者にとって、治療時間が短いことは精神的な負担を軽減し、治療への抵抗感も少なくなります。
吸引法を使用して子宮内の組織を取り除くため、異物や組織が残りにくいというメリットがあります。手動で吸引の強さを調節することができるため、必要な部分だけを効率よく除去できます。
従来の掻爬法(D&C)に比べて、MVAは合併症が少ないとされています。出血や感染症のリスクが低いと考えられています。
他の手術と比べて回復が早く、患者は比較的早く日常生活に戻ることができます。入院が不要な場合も多いです。
どんな手技にも感染症のリスクがありますが、MVAも例外ではありません。手技後に適切な衛生管理がされていないと、子宮内で細菌が繁殖して感染症を引き起こす可能性があります。特に、術後のケアが不十分であると、**子宮内感染(子宮内膜炎)**を引き起こすリスクが高まります。
手技後に出血が続くことがあります。通常、少量の出血は自然に治まりますが、大量出血や長期間の出血が続く場合は、追加の処置が必要となることがあります。出血が長引く場合、血腫や出血性ショックの可能性も考慮し、早期に対応する必要があります。
非常に稀なケースですが、吸引時にカニューレが子宮壁を突き破る(子宮穿孔)ことがあります。穿孔が発生すると、手術による修復が必要になることがあります。手技を行う医師の経験が重要です。
強い吸引力や不適切な手技が行われると、子宮内膜を傷つけることがあります。これは将来的な妊娠に悪影響を与える可能性があり、注意が必要です。特に繰り返し行われる場合には、内膜の健康状態に注意を払う必要があります。
MVAで完全に内容物が除去できないことがあります。もし、胎児の組織や異常組織が残っていると、再度手術を行う必要が出てくる場合があります。手技後には、超音波を使って子宮内の状態を確認することが一般的です。
MVA(Manual Vacuum Aspiration)は、流産後や異常組織の除去、診断的目的で使用される低侵襲の医療手技です。局所麻酔で行い、数分で終了するため、患者にとっての負担が少なく、迅速な回復が期待できます。メリットとして、合併症が少なく、手技が短時間で終わること、精度の高い除去が可能であることが挙げられます。一方で、感染症や出血、子宮穿孔などのリスクが伴うため、手技を行う医師の経験が重要です。患者が安心して治療を受けるためには、手技のリスクと注意点を十分に理解した上で、適切な診断と治療が求められます。
※下記全て税込表き
期間 | 費用 |
---|---|
~9週6日 | 13万 |
10週0日~10週6日 | 14万 |
11週0日~11週6日 | 15万 |
※別途、診療・術前検査費用10,000円程度(税込)がかかります。
採血+クラミジア、淋菌検査
初産、経産婦、帝王切開既往によって変わります。
※手術において追加の処置等が発生した場合、追加料金をいただく場合があります。
※12週~21週までの人工妊娠中絶は入院となります。妊娠週数によって、費用が異なります。
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